東通り自由帳

暮らしと娯楽のハイライト。

ある一日

iPhoneをわざと部屋に置いたまま家を出て、Suicaを使わずきっぷを買って電車に乗る。

このあいだは電車内で咳をしている人が多く、風邪がうつりそうで危険だなと感じたが今日はそうでもない。季節が進み、冬にうまく適応できている人の割合が増えたのだろう。座席の両隣は空いていて、正面にはやや高齢の女性が座っていた。
乗り換えの駅で券売機を探し、もう一度きっぷを買った。
幸い乗車時間は長くないので暇を持て余すことはなかった。

電車通勤の若い人の多くが、手持ちぶさたの時間をスマホに投げ打つようになったのはいつごろからだろう。
いつもは僕自身もその一人なのだが(若いかどうかはともかく)、それをせずに周囲を眺めていると「そういう時代なのだな」と改めて特徴的なことのように感じられた。

iPhoneを持たない僕はその日、空き時間になると青空を窓越しに眺めたり、軽いストレッチで体をほぐしたり、椅子で眠ったり、軽食としてバッグに入れていたカロリーメイトを食べたりしていた。
話しかけやすそうな人がいたら話してみたい気持ちだったが、見つからなかったので黙っていた。そのかわりにいろんなことを頭に思い浮かべていた。友人や知人のこと。今どうしているかな。来年のこと。元旦は早起きして初詣に行こう。それから一年後の自分のこと……。

Googleマップで見つけて以来気になっている駅前のラーメン屋は、行きも帰りもシャッターが降りていた。定休日かな。この街にはしばらく通うことになるから、一度は食べてみたい。
駅の構内では京都のお菓子を売っているのを見かけて、一瞬迷ったが、早く帰って体を洗いたかったので立ち止まらずに財布から回数券を一枚取り出して改札を通った。結構売れ残ってそうな様子だった。協力できなくてごめんね、と一瞬思って、次の瞬間には忘れていた。

この日、家を出てから帰宅するまでの間に見ていたものの話。

インスタやってました。

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Instagramの休止宣言のために撮った一枚。

もともと、Twitterにアップする写真にフィルターをかけるために作ったようなアカウントなので、自分のアカウントのログに面白味があるとはあんまり思えてなかったんですよね。

9月には方向性をしっかり考え直して、「食に関する写真+ある程度の分量のテキスト」という方針のもと、短いコラムを書くような感覚でこれまで投稿してきました。
テーマを食に絞ったのは他のサービスとの使い分けのため。
この縛りがあるからこそ生まれた投稿もあり、良い試みではあったと思います。

が、やっぱり自分自身がいまひとつ満足できなかったので、新しい使い道を思いつくまでは投稿しないことにしました。
だいたい、食べ物関係の写真を撮らないと書きたいことを投稿できないのって単純に不便なんです(笑)

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料理の写真にハッシュタグをつけておくと、めっちゃ華やかな料理写真が並ぶフォロワー3~4桁の強者たちがいいねしてくれるんですよ。
要するに「うちも料理写真載せてるのでよかったらフォローしてくださいね♪」という無言のメッセージ入りのハートマーク、身も蓋もない言い方をしてしまえば「宣伝いいね」なわけですけど。
ああ、料理も料理写真もすごい人は本当にすごいわ……と、知らなかった世界が垣間見えて、それはそれでいい収穫でした。

あと、リアルで知っている人のアカウントがあってですね。
その人は写真のセンスが卓越していて、僕にとって好ましい写真であっても嫌いな写真であっても、どちらであろうと心を動かされてしまう。羨望、嫉妬、あるいはまだ言葉にならない感覚や感情。
商業に向いているかどうかに関係なく、彼女にはずっと何かの形でアウトプットを続けて欲しいと願わずにはいられません。

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投稿先をひとつ削ったことで、早速このブログでだべる余裕が出てまいりました。
というか前回の記事といい、ネットの話をするのが好きみたいです楽しい(・∀・)

古き良き個人ブログを探すすべ

今年は「ネット上で普通の日記を見かけなくなったよねー」という趣旨の記事に出会って共感することが二度ありました。

toshimamiho.info
nectaris.hatenablog.com

懐古モードですが。

昔(10年くらい前?)と比べて、個人の素朴でプライベートなブログ記事を目にする機会が本当に減ったように感じます。
何かのキーワードでぐぐったらたまたま上位にヒットする、なんてことは皆無だし、昔はてなアンテナRSSリーダーに入れて読んでいたお気に入りのブログはほとんど更新が途絶えてしまいました。

僕自身、よくネット上に日記を書いていた時期がありました。たわいない日常ネタや見たものの感想。時には心のモヤモヤを吐き出すような文章になることもありました。
しかしながら、今ではTwitterへのアウトプットが習慣化したことで、まとまった文章を書く動機が大幅に減っています。あるいは、それなりに年を重ねたことで心のトゲトゲやむき出しの承認欲求がすり減って、世間に対して発信したい事柄が減ってきたのかもしれません。Twitterをフォローしてくださってる方は「あれで減ってるの?」と思うかもだけど。

とにかく、今の僕にとって「ネット上の普通の日記」は読む側としても書く側としてもちょっと遠い存在。能動的に探しに行かない限り見つからないものになっています。

はてなブログで購読中のブログは、テーマが明確だったり役立つ情報があったり体裁がしっかり整っていたりなので「日記」という雑多な感じとはちょっと違うのかなと。(話の流れ上、そういうことにさせてください……)

では今、日記メインの古き良き個人ブログを新規発掘するには、一体どこをどう探せばいいのでしょう?

gooブログはどうか。

まずは昔使っていたgooブログを訪れてみました。gooのブログ検索機能もよく使っていたものです。
blog.goo.ne.jp

わー懐かしい! ほっとする!
ネットビジネス臭のしないトップページ。当時はきれいだった、今ではちょっとレトロさも感じるテンプレートのデザイン。落ち着いた文体のブログの多さ。
サービス初期の雰囲気を保ったまま大切に運営されている、という趣があります。
都会から久しぶりに帰郷してきた感。やっぱりgooブログはいいな。

ただしブログ検索機能のほうは、アルゴリズムが古いまま放置されている感じなのが残念です。
別の検索エンジンで、オプションを使い「blog.goo.ne.jp内の1ヶ月以内の記事を日付順に」とすると結構満足できる結果が並びました。

クリスマス site:blog.goo.ne.jp sort:date at DuckDuckGo

Yahoo!ブログはどうか。

個人的にあまり馴染みはないのですが、Yahoo!ブログもまた健在でした。

blogs.yahoo.co.jp

よしもと所属芸人をはじめ、オフィシャルブログが多数開設されているあたりには時代の流れを感じますが、それでもなおトップページの印象は落ち着いています。クリックを釣るような文字や画像がほとんど目につきません。
個人でも背伸びせずに書けそうな雰囲気がいいな、と思います。

あと検索機能が今もちゃんと生きていてえらい。

はてなブログ&ダイアリーはどうだ。

はてなはデザインこそ今風になりつつありますが、なんとなくユーザー層の偏りを感じるところとか、注目を集めている界隈の近寄りにくさは昔も今もあんまり変わってない気がします。
hatenablog.com

はてなのサービスの中で随一のまったり感があるはてなハイクでさえ、今やトップページという名の地上都市はスパム攻撃の被害が目立ち、アンテナという名の地下世界を中心に原住民が細々と生き延びる過酷な環境になって久しいのです。
h.hatena.ne.jp

そんなはてなにも、普通に日記を書いているユーザーさんはいます。
検索機能を探したところ、非公式ですがこちらに行き着きました。便利。

はてなブログ・はてなダイアリー 横断検索(Googleカスタム検索)
はてなブックマーク - はてなブログを横断検索するやつを更新しました - すなばいじり

印象に残ったブログ記事

今回いろいろのぞいた中では、Yahoo!ブログで出会った60代の方の記事が最も印象的でした。
知人の人生と自分の人生との道のりの違いについて、静かに考えるような内容でした。

自分とは違う境遇で生きている人の価値観を(できれば穏便な形で)垣間見ることって、ネットの醍醐味の一つだと思うんですよ。
そのことを再認識しつつ、僕もまたブログ上でなにか考えを綴ってみたくなりました。